サブバッテリーは配線図と許容電流計算が重要。安全な計画に時間を使おう
※サブバッテリーシステムは配線の仕方や取り回し、車の性質上振動や温度変化など事故や火災のリスクが伴います。
※以前は鉛バッテリーが主流でしたが、最近はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが主流です。
※リン酸鉄バッテリーは鉛バッテリーより安全性が高いのでおすすめです。このブログではリン酸鉄バッテリー使用を前提に書いています。
※本ブログの情報は参考程度にし、少しでも疑問があればパーツメーカーに質問したり、他のブログを見るなど情報収集を入念にお願いします。
※不安を感じる方は、キャンピングカーメーカーなどでサブバッテリーシステムを組んでくれるお店を探してください。
サブバッテリーシステムとは?
サブバッテリーシステムとは、車にもともとついているバッテリー(メイン)とは別に、車内にバッテリー(サブ)を搭載します。
車内のサブバッテリーに走行中はメインバッテリーから充電し、エンジンを切った後はサブバッテリーから電気を使う。
車中泊やキャンピングカーと相性の良いシステムです。
またサブバッテリーは拡張性があり、使いながら容量を増やしたり性能のいいパーツに交換したりと改良を重ねることができるのが最大のメリットです。
その分、許容電流に合わせたケーブル選択やパーツ選択が重要になります。
ここまで読んで「自分には難しすぎる」と思った方はポータブル電源をおすすめします。
ポータブル電源についてはこちらを参考に。

私のサブバッテリーシステム

私のサブバッテリーシステムはほぼRenogy社で統一しています。
理由は何かトラブルがあった時にRenogyに聞けばだいたい解決できるから。
ほかのメーカーでももちろんOKですが、パーツを一社に統一するのがおすすめです。
車検の時にユニットごと降ろせるように木の箱に入れています。
が、総重量30kgなので持ちたいとは思いません。
配線図

サブバッテリーシステムを文章で説明するのは難しいです。
なので、サブバッテリーへの充電パートと出力パートに分けて説明します。
充電パート
車のバッテリー(12v)→ヒューズ→走行充電器(写真右上の黒いボックス)→バスバー(赤線+と黒線-がそれぞれ集まっているところ)→サブバッテリー(写真下の2つ並んでいるボックス12v×2個)
というように配線します。
※ヒューズは車のバッテリーのなるべく近くに設置してください。そうすることで断線や漏電の時にヒューズが切れて発熱や発火を防ぐことができます。
配線ケーブルはKIVかHKIV、さらにはネツタフというケーブルがありますが、私はすべてHKIVかネツタフを使っています。
理由は耐熱温度の高さ。KIVは60℃、HKIVは75℃、ネツタフ115は115℃。
真夏の車内はかなり高温になります。
あわせて大電流が流れるとケーブル自体が発熱します。
60℃だと心もとないのでKIVはやめましょう。
使うケーブルの太さですが、太さの単位は㎟(平方ミリメートル)もしくはsq(スケア)で表記されています。
1㎟=1sqなので、どちらの表記でも同じ太さとなります。
他にAWGという単位もありますが、こちらは海外の単位でわかりにくいので選ばないほうが無難です。
流れる電流A(アンペア)に合わせて太さを選びましょう。
表を作ってみました。参考にしてみてください。

許容電流ギリギリで迷ったら一つ太めのケーブルを選べば間違いがありません。
つなぐ順序や注意点は走行充電器に配線図と接続順が書いてありますのでその通りに配線してください。
私はつけていませんが、ソーラーパネルを付けるのであれば、走行充電器のソーラー入力端子につなぎます。
出力パート
サブバッテリー→バスバー→ヒューズ→100Vインバーター&室内照明など
こちらではサブバッテリーの電気を二つの出力に分けて出力します。
※ヒューズはそれぞれの出力先の手前に設置してください。そうすることで断線や漏電の時にヒューズが切れて発熱や発火を防ぐことができます。
一つは100vインバーターに出力。インバーターにはコンセントがついており、これで家電が使えるようになります。
もう一つは12vのまま室内配線へ。例えばシガーソケットにつないで車内USBに使ったり、12vで点灯する照明に使います。

こちらは12vをそのままシガーソケットへ。
車載テレビや車載冷蔵庫など車用の機器が使えます。
白いのはUSB充電器。スマホの充電ができます。

これは100vインバーター。
12vを100Vに変換してくれるので家庭用機器も使えるようになります。
1200wだとだいたいは使えますが、ドライヤーや電子レンジはちょっと厳しい。
2000wにアップグレード予定です。
その時はサブバッテリーからの配線も太くしなくてはいけません。
パーツ選定
バッテリー
車中泊で使うなら最低でも100Ah。できれば200Ah以上にすると余裕があります。
私は100Ahを2個並列につないで200Ahとしていますがバッテリー同士の配線が増えます。
それに比べて最初から大容量にすると配線が少なくて楽です。
200Ahとか300Ahとか。
走行充電器
走行充電器はバッテリーメーカーとそろえた方がいいですね。
LiTime、Redodo、Renogyそれぞれ出しています。
ソーラー入力も可能です。
ケーブル
耐熱性の高いネツタフがおすすめです。
ケーブルを通る電流を計算して太さを選択してください。
70A程度までなら5.5sq(㎟)
90A程度までなら8sq(㎟)
145A程度までなら14sq(㎟)
2000Wインバーターに接続するなら180AまでOKの22sq(㎟)
インバーター
インバーターは2000w出力が使える家電の制約がほとんどなくおすすめです。
私は1200Wしか持っていないのでドライヤーが使えません。旅行中に海水浴や温泉に入ったあと、ドライヤーが使えたらなあ。。。と思ったことが何度もあります。
これもメーカーをそろえるのをおすすめします。
ヒューズ
配線の間に入れるヒューズはANLという規格のものが便利。
端子をボルトに通してナットで締めつけるだけで確実に接続できます。
配線の容量に合わせたアンペアの物を選んでください。
まとめ
ここまで読んでくださりありがとうございます。
頭の中だけではパーツの不足や選択ミスがおきるので、必ずご自身で配線図を書いてみてください。
手書きでもかまいません。
そうすることで、施工時にも「あれ?どことどこを結ぶんだっけ?」という迷いがなくなり、配線ミスも防ぐことができます。
家の配線の場合は資格が必要なほど、間違ったときは危険です。
車の配線には資格は必要ありませんが、危険性は同じと考え、慎重に進めてください。
どうかご安全に。



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