日本でオーロラは撮影できるのか?できます。情報と根性と運があれば。
今年の3月に網走の能取岬で撮影したオーロラです。
時間は深夜なので、夕焼けや朝焼けではありません。

あれ、グリーンじゃないし、カーテンみたいじゃないじゃん。
そうです。これが低緯度オーロラなんです。
でも満点の星空の中、何もない空がボーっと赤く染まるのは幻想的です。
カメラを持っている方はチャレンジしてみてください。
低緯度オーロラが観察できる(可能性がある)地域
昨年から今年にかけ、太陽は11年周期の活動期に入っています。
2025年11月は終盤ではありますが、まだチャンスはありそうです。
2024年冬~2025年春にかけてはたくさんのオーロラチャンスがありました。
Xでも多くのオーロラ写真が投稿され、低緯度オーロラという言葉がニュースなどからも聞こえてきましたね。
北海道は全域がオーロラチャンスです。
本州では、最南のオーロラ撮影成功はなんと兵庫県!
さすがに四国・九州では厳しいですね。
低緯度オーロラの発生を知る情報源
まずは日本で最もオーロラに詳しい研究者といって間違いない片岡龍峰さん。
Xで頻繁に太陽フレア、磁気嵐の情報を発信してくださっています。
オーロラチャンスの時には規模や場所の予想も発信。
オーロラと磁気嵐は密接に関係している、そして磁気嵐は太陽フレアと関係している。
なので片岡さんのXをチェックしておくと最新のオーロラ情報が見られます。
撮影機材
・カメラ(条件によっては最近のスマホ)
・三脚
ここが一番ハードルが高そうですよね。
しかし条件が良ければスマホのナイトモード(夜景モード)でも撮影することができます。ただしその場合も三脚などにしっかりと固定してください。
手持ちではブレがひどく何を撮ったのかわからなくなります。
これはシャッタースピードと言って、画像を記録するセンサーに景色を映しこむ時間が長くなる(2秒など)ために、その間に動いてしまうと、画像のずれとして記録されるからです。
通常の夜景撮影も三脚を使うとスマホでもかなりきれいに撮れますよ。
そして、肉眼やスマホでは撮れないような条件でも撮影できるのはやはりカメラです。
中でもレンズが交換できるデジタル一眼やミラーレス一眼などの機材は撮影可能性がぐっと上がります。
というか、オーロラが出ていれば写せます。
撮影のためのカメラ設定
カメラの場合の設定は、例として
・レンズはできればF4以下の明るい広角(10~35mm)レンズ
・ISO感度は1600~6400(最新機種なら10000以上にしてもノイズは少ない)
・シャッタースピードは3秒程度からスタートして暗ければ4秒、5秒・・・と長くしていく。
・画像の保存形式はJPEGよりRAWの方がきれいに撮れるし画像の調整幅が広くおすすめ。ただし容量は大きくなる(JPEGで10MBの画像がRAWでは40MBなど)
そして、夜間の撮影で一番苦労するのがピント合わせです。
方法は二つ、
1.昼間のうちに1km以上離れたものにピントを合わせ、テープで固定したら、レンズのAF(オートフォーカス)をオフにしておく。
2.ライブビュー(カメラの画像をモニターに映した状態)で星や月、遠くの街明かりなどを表示してマニュアルでピントを合わせる。
おすすめは1の日中にピントを合わせて固定しておく方法です。
明るい中で調整できるので失敗がありません。
画像編集
今はスマホの画像編集も優秀なので、カメラのデータをスマホに移して編集してもいいと思います。
調整としては、明るさを明るくするのではなく、シャドウ(暗い部分)だけを明るくするようにするとオーロラが浮かび上がってくると思います。
あまりシャドウを上げ過ぎるとノイズでざらざらした感じになりますのでその辺は気を付けてください。
先日2025年11月12日に北海道で見られたオーロラ
上記の撮影方法、設定で撮るとこんな感じになりました。
機材(NikonD750、シャッタースピード5秒、ISO1600)

灯台の明かりも、夜空がオーロラで赤く染まるのもよくわかると思います。
この時は肉眼でもうっすらと確認できましたが、やはりカメラの威力は絶大でした。
皆さんも機会があればぜひチャレンジしてみてください。


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